公開日:2026年10月2日
「個人で診療所を経営しているけれど、医療法人にするには何が必要なのか」
「理事や監事は、誰にお願いすればよいのか」
「診療所の設備や借入金は、そのまま法人へ引き継げるのか」
医療法人化を検討すると、このような疑問が出てきます。
医療法人の設立では、書類の作成と並行して、法人を運営する人、診療に必要な財産、設立後の運営方法を具体的に決めていく必要があります。
この記事では、東京都で個人診療所を法人化する場合を想定し、医療法人社団の設立に必要な基本事項と、個人診療所との違いを解説します。
個人診療所では、医師・歯科医師個人が開設者となります。医療法人化した後は、法人が診療所の開設者となり、法人として運営することになります。
また、医療法人を設立するには、都道府県知事の認可が必要です。診療所の業務を継続するための施設・設備・資産なども確認されます。
現在、新たに設立する医療法人社団は「持分の定めのない医療法人」です。株式会社のように剰余金を配当することもできません。こうした法人の性質を理解したうえで、設立を検討することが大切です。
医療法人社団では、役員となる理事・監事と、法人の構成員となる社員を決める必要があります。
基本となる構成は、次のとおりです。
理事長は、原則として医師または歯科医師である理事の中から選びます。また、診療所の管理者は、原則として理事に就任します。
社員と理事を兼ねることは可能なため、上記の人数を単純に合計して、必ず7人の別々の人を集めるという意味ではありません。
医療法人の社員とは、社員総会で法人の重要事項の決定に参加する構成員のことです。受付職員や看護師などの従業員を指す言葉ではありません。
理事・監事・社員には、それぞれ役割があります。名前だけを借りるのではなく、法人の意思決定や監査に実際に関わってもらえる方を選ぶことが必要です。
監事は、法人の業務や財産の状況を監査する立場です。
東京都の手引では、理事の親族、法人に財産を拠出している個人、法人と取引・顧問関係にある個人などは、監事に就任できないとされています。候補者が決まった段階で、法人や理事との関係を確認しましょう。
医療法人には、診療所の運営に必要な財産を確保することが求められます。
準備の際には、現預金、医療機器、内装設備、備品などについて、所有者や契約内容を整理します。個人名義のものを、すべて同じ方法で法人へ移せるわけではありません。
例えば、所有している医療機器と、リースで使用している医療機器では、必要な対応が異なります。資産の一覧と契約書を照らし合わせながら確認しましょう。
また、東京都では、運転資金について、原則として初年度の年間支出予算の2か月分に相当する額以上が必要とされています。設立後に借り入れる予定の資金は、この運転資金には算入できません。
必要額は診療所の支出計画によって変わるため、「預金がいくらあれば設立できる」と一律には判断できません。法人化後の人件費、賃料、その他の支出を踏まえて検討します。
テナントで診療所を運営している場合は、法人がその建物を継続して使用できるよう、賃貸借契約や貸主との調整が必要です。
医療機器のリース契約や金融機関との借入契約についても、契約相手への確認が必要になります。
特に借入金は、個人診療所の借入れがすべて法人へ引き継げるわけではありません。東京都の手引では、法人化前の運転資金に充てた負債は引き継げないとされています。資産取得に関する借入れも、対象資産との関係や引継ぎの条件を確認します。
相談前に、賃貸借契約書、借入契約書、返済予定表、リース契約書などをまとめておくと、確認を進めやすくなります。
医療法人化すると、法人の財産と院長個人の財産を明確に区別して管理します。
重要な事項は、法令や定款に従い、社員総会・理事会などで決定します。法人のお金を個人の生活費として自由に使うことはできません。
また、設立後には、決算に伴う事業報告書等の届出や、病院・診療所ごとの経営情報の報告など、継続的な事務も発生します。
法人化を検討する際には、税負担だけでなく、こうした運営事務を誰が担当するかも考えておきましょう。税務面は税理士と相談し、設立要件や行政手続きとあわせて検討することが大切です。
医療法人の設立認可を受けた後には、法人設立登記や、法人による診療所開設の手続きが続きます。保険診療を継続する場合は、保険医療機関の指定に関する手続きも必要です。
法人設立と診療所の切替えを一つの計画として整理し、関係機関との調整を進めましょう。
申請時期や手続き全体の流れについては、「医療法人設立にはどのくらいかかる?東京都の申請スケジュールと準備の流れ」をご覧ください。
医療法人設立の準備では、次の三つを整理することから始めてみてください。
すべてが決まってから相談する必要はありません。候補者や契約書、財産の状況を確認しながら、設立に向けた課題を整理することができます。
すぎばやし行政書士事務所では、医療法人設立に向けた事前準備、設立認可申請、設立後の行政手続きをサポートしています。税務や登記については、必要に応じて税理士・司法書士と連携して進めます。
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新宿区高田馬場を拠点に、新宿区・豊島区・中野区・杉並区・練馬区・世田谷区、調布市・府中市・稲城市・多摩市などをはじめ、医療法人設立については東京都内を中心にご相談に対応しています。
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