医療法人の定款とは?記載事項と設立前の確認ポイント

医療法人の定款とは?記載事項と設立前の確認ポイント

医療法人の定款とは何か、主な記載事項、東京都の定款例を使う際の注意点を解説。役員・社員の体制や、ほかの申請書類との整合を確認しましょう。新宿区高田馬場の行政書士が医療法人設立をサポートします。

医療法人の定款とは?記載事項と設立前の確認ポイント

公開日:2026年10月23日


医療法人設立の準備では、「定款」という書類を作成します。
定款は、法人の名称や目的だけでなく、役員、社員総会、理事会、資産・会計など、法人を運営するための基本的なルールを定めるものです。
今回は、個人診療所から社団医療法人への移行を検討している方に向けて、定款の役割と作成前の確認事項を整理します。

定款は、設立後の運営にも使う書類です

定款は設立認可申請に必要な書類ですが、認可を受けるためだけに作成するものではありません。
設立後も、役員の選任、社員総会や理事会の開催、事業年度の確認など、法人運営のさまざまな場面で参照します。
申請書類として整えるとともに、法人の関係者が内容を理解しておくことが大切です。
なお、社団医療法人では「定款」、財団医療法人では「寄附行為」を作成します。この記事では、社団医療法人の定款を扱います。

定款には、どのような事項を定めるのか

医療法では、定款などに定める事項が規定されています。主な内容は次のとおりです。

主な項目
定める内容
目的・名称
法人の目的、医療法人の名称
医療機関・事務所
開設する診療所等の名称・所在地、法人の事務所の所在地
資産・会計
資産の管理、事業年度など
役員・理事会
理事・監事に関する事項、理事会の運営など
社員・社員総会
社員資格の取得・喪失、社員総会の運営など
その他
定款変更、解散、公告の方法など


医療法人の「社員」は、職員・従業員という意味ではなく、社員総会を構成する法人のメンバーです。役員や職員とは、役割を分けて確認しましょう。

自治体の定款例を使い、法人の計画に合わせて確認する

東京都では、医療法人設立の手引と関連様式の中で、定款例を公開しています。
作成する際は、所管自治体の最新の定款例と手引を確認し、法人の計画に合わせて記載します。
特に、次の事項を確認しましょう。

  • 法人名と診療所名を区別して記載しているか
  • 診療所や事務所の所在地が、ほかの申請書類と一致しているか
  • 役員の人数などが、予定している体制と整合しているか
  • 事業年度が、事業計画・予算書などと一致しているか
  • 基金制度を採用する場合、必要な規定が整っているか

他の法人の定款や古いひな型を、そのまま流用することは避けましょう。また、定款例の条文を独自に変更したい場合は、法令や自治体の取扱いに適合するかを事前に確認します。

定款と、ほかの設立書類の内容をそろえる

定款だけが完成していても、設立準備が整ったことにはなりません。
役員・社員の構成、設立総会議事録、財産関係書類、事業計画などと内容をそろえる必要があります。
例えば、定款に記載した診療所名や所在地が、賃貸借契約書や申請書と異なっていないかを確認します。役員に関する規定と、実際に就任する方の構成にも注意が必要です。
名称や所在地など、複数の書類に繰り返し記載する事項を先に一覧にしておくと、記載の食い違いを防ぎやすくなります。

設立後に変更するときも手続きが必要です

設立後に分院を開設する場合や、法人名・診療所の所在地などを変更する場合には、定款の変更が必要になることがあります。
定款変更は原則として所管行政庁の認可が必要ですが、法令で定める一部の事項は届出の対象です。
変更する内容によって、社員総会の決議、認可申請・届出、登記、保健所等への手続きが必要になるため、事業を変更する前に確認しましょう。

まとめ

医療法人の定款は、設立申請と設立後の運営の両方に関わる基本的な書類です。

  • 所管自治体の最新の定款例・手引を確認する
  • 法人の計画や役員・社員の体制と内容をそろえる
  • ほかの申請書類との記載の一致を確認する

ひな型の空欄を埋めるだけでなく、設立後にどのように法人を運営するかも考えながら準備しましょう。

医療法人設立についてご相談ください

すぎばやし行政書士事務所では、医療法人化を検討している段階から、申請スケジュールの整理、定款を含む必要書類の作成、設立認可申請をサポートします。
詳しい支援内容は、医療法人設立サポートをご覧ください。
新宿区高田馬場を拠点に、新宿区・豊島区・中野区・杉並区・練馬区・世田谷区をはじめ、調布市・府中市・稲城市・多摩市など、東京23区・多摩地域を中心に対応しています。
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参考資料:
•東京都「医療法人設立の手引」
•東京都「医療法人運営の手引」