公開日:2026年9月21日
個人で診療所を経営していると、「そろそろ医療法人化した方がよいのだろうか」と考えることがあります。
しかし、医療法人化は、単に売上や所得が一定額を超えたから行うというものではありません。分院開設や事業承継、職員の採用・組織体制、将来の診療所経営なども踏まえて検討することが大切です。
また、医療法人を設立すると、個人開設の診療所とは異なる法人としての運営や各種届出・報告も必要になります。
この記事では、医療法人化を検討するタイミングと、設立前に確認しておきたいポイントについて解説します。
医療法人化とは、医師・歯科医師が個人で開設している診療所などについて、医療法人を設立し、法人が医療機関の開設者となることです。
医療法人を設立するためには、都道府県知事の認可を受けたうえで、設立登記を行う必要があります。
さらに、個人診療所から医療法人へ移行する場合には、医療法人の設立だけでなく、保健所への診療所開設に関する手続きや、保険診療を行う場合には厚生局への保険医療機関指定に関する手続きなども必要になります。
そのため、医療法人化を検討する際には、法人設立だけを見るのではなく、法人化後の診療所運営まで含めてスケジュールを考えることが重要です。
医療法人化を検討するタイミングは、診療所の経営状況や今後の事業計画によって異なります。特に、次のような場合には、医療法人化を検討する一つの機会となります。
個人の医師・歯科医師が開設できる診療所は、原則として一か所です。複数の診療所を運営するために分院開設を計画している場合には、医療法人化を検討することになります。
分院開設を予定している場合は、医療法人の設立時から将来の事業計画を整理しておくことが重要です。
将来、診療所を後継者へ引き継ぐことを考えている場合にも、医療法人化を検討することがあります。
個人診療所と医療法人では承継の方法や必要となる手続きが異なるため、後継者の有無や将来の診療所運営を踏まえて検討する必要があります。
診療所の規模が大きくなり、職員数の増加や組織体制の整備を進めていく段階で、医療法人化を検討するケースもあります。
医療法人化後は、役員・社員の構成をはじめ、法人としての運営体制を整えていくことになります。
診療所の経営が安定してくると、経営面や税務面から医療法人化を検討することもあります。
ただし、医療法人化による影響は、所得や家族構成、役員報酬、将来の事業計画などによって異なります。税務上のメリットだけで判断せず、必要に応じて税理士などの専門家とも相談しながら検討することが大切です。
医療法人を設立する際には、申請書類を作成する前に、法人の基本的な事項や個人診療所から引き継ぐ内容を整理しておく必要があります。
医療法人では、役員と社員について検討する必要があります。
「社員」は従業員という意味ではなく、社団医療法人の構成員として、社員総会で法人の重要事項について意思決定を行う立場です。
誰を役員・社員とするのかは、設立後の法人運営にも関わるため、設立前に十分検討しておくことが大切です。
個人診療所で使用している医療機器や備品などの財産を、医療法人へどのように引き継ぐのかを整理します。
借入金やリース契約などがある場合には、それらの取扱いについても確認が必要です。
診療所が賃貸物件の場合には、個人名義の賃貸借契約を医療法人へ切り替えられるかなど、あらかじめ確認しておく必要があります。
土地・建物を院長個人が所有している場合も、法人化後の使用関係を整理します。
医療法人設立認可申請では、設立後の事業計画や予算などについても準備する必要があります。
現在の診療所を法人化することだけでなく、将来の分院開設や事業承継なども考えている場合には、中長期的な方向性も踏まえて設立準備を進めることが重要です。
医療法人は、会社のように登記だけで設立できるものではありません。医療法人を設立するためには、都道府県知事の認可を受け、その後に設立登記を行う必要があります。
東京都では医療法人設立認可申請の受付時期が定められているため、「法人化したい時期」から逆算して準備を進めることが重要です。
設立にあたっては、定款、役員・社員、財産・負債、診療所の施設関係、事業計画・予算など、多くの事項を整理して申請書類を準備します。
医療法人設立認可申請の具体的な流れについては、「医療法人設立」のページで詳しくご案内しています。
医療法人は、設立認可を受けて登記をすれば、すぐにすべての手続きが完了するわけではありません。
個人診療所を医療法人へ移行する場合には、設立登記後、保健所への診療所開設許可申請、個人診療所の廃止届・法人診療所の開設届などの手続きが必要になります。
また、保険診療を行う場合には、厚生局への保険医療機関指定に関する手続きも必要です。
そのため、医療法人化では、設立認可だけでなく、実際に医療法人として診療を開始するところまでを見据えてスケジュールを組むことが重要です。
当事務所では、医療法人化を検討されている段階から、設立認可申請、認可後の保健所・厚生局への手続きまで、医療法人設立を一連の流れとしてサポートしております。
代表は製薬会社に長年勤務し、営業・人事・法務・経営に携わってきました。こうした経験を活かし、単に申請書類を作成するだけではなく、設立後の法人運営も見据えながら手続きを進めてまいります。
また、医療法人設立後の事業報告書等の提出、経営情報等の報告、役員変更、定款変更、分院開設など、医療法人の運営に伴う各種行政手続きについても継続してサポートしております。
当事務所は新宿区高田馬場を拠点に、東京都内を中心に医療法人設立のご相談に対応しております。
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医療法人化を検討されている医師・歯科医師の方は、まずはお気軽にご相談ください。
医療法人設立の具体的なサポート内容については「医療法人設立」、費用については「報酬・料金」をご覧ください。