公開日:2026年10月21日
「入院するときの身元保証人は、親族にお願いできる」
「身元保証サービスを契約したので、将来のことも安心」
そのように考えている方も、預貯金の管理や介護サービスの契約まで、誰に任せられるかを確認しておくことが大切です。
身元保証と任意後見は役割が異なります。両方が必ず必要というわけではありませんが、身元保証人がいるだけで、将来の手続きすべてに備えられるわけでもありません。
今回は、老後の備えを確認したい3つの場面を紹介します。
病院や高齢者施設から求められる身元保証人・身元引受人の役割は、施設や契約によって異なります。
緊急連絡先、費用の保証、入退院時の支援など、何を求められているのかを確認しましょう。
例えば、緊急時の連絡は親族にお願いできても、遠方に住んでいるため、入退院時の対応までは難しいことがあります。
身元保証サービスを利用する場合も、付き添い、費用の支払い、緊急対応などが、どこまで契約に含まれているかを確認することが大切です。
なお、身元保証人等がいないことだけを理由に、医療機関が入院を拒むことは不適当とされています。頼める人がいない場合は、病院の相談窓口などにも相談しましょう。
認知症などで判断能力が不十分になった場合、預貯金の管理や介護サービスの契約を、誰がどのような権限で行うのかが問題になります。
身元保証人であることだけで、本人の預貯金を管理したり、本人に代わって契約したりする権限が与えられるわけではありません。
こうした将来に備える方法の一つが、任意後見契約です。
十分な判断能力があるうちに、任せる相手と事務の範囲を決め、公正証書で契約を結びます。その後、判断能力が不十分になり、家庭裁判所が任意後見監督人を選任すると、任意後見契約の効力が生じます。
契約を結んだ直後から、任意後見人として財産管理を始められるわけではありません。
制度の基本については、任意後見とは?身元保証との違いと老後に備えるポイントもご覧ください。
判断能力はあるけれど、手続きが難しい場合を考える
「判断能力はしっかりしているが、足腰が弱くなり、銀行や役所へ行くのが難しい」
このような場面は、判断能力の低下に備える任意後見とは分けて考えます。
家族による支援や、金融機関等が認める代理手続きのほか、必要に応じて財産管理委任契約などを検討します。
身元保証サービスに日常の手続き支援が含まれる場合もありますが、サービス名だけでは判断できません。任せられる事務、代理権、費用、財産管理の方法を確認しましょう。
| 確認したい場面 |
主に考える備え |
|---|---|
| 入院・施設入居時の連絡や対応 |
親族等への依頼、身元保証サービスなど |
| 判断能力が低下した後の財産管理・契約 |
任意後見など |
| 判断能力はあるが、外出や手続きが難しい | 家族の支援、代理手続き、財産管理委任契約など |
一人の方や一つの事業者に複数の役割をお願いする場合でも、それぞれの契約と権限を確認する必要があります。
任意後見人だから身元保証も当然に引き受ける、身元保証人だから財産管理もできる、というものではありません。
必要な備えを考えるときは、次の点を整理しましょう。
任意後見を利用する場合は、任意後見人の報酬だけでなく、任意後見監督人の報酬等も確認します。
また、葬儀・納骨や各種契約の解約など、亡くなった後の手続きについても、誰が対応するかを別途整理しておきましょう。
身元保証人がいても、任意後見を検討した方がよい場合があります。ただし、必要な備えは、ご本人の希望や家族の支援状況によって異なります。
「入院・施設入居のとき」「判断能力が低下した後」「判断能力はあるが手続きが難しいとき」の3つに分けて、頼める人と任せられる内容を確認しましょう。
すぎばやし行政書士事務所では、家族関係や生活状況、ご本人の希望を伺い、身元保証、任意後見、財産管理、死後事務などの備えを一緒に整理します。
「身元保証だけで足りるのか」「自分にはどの契約が必要なのか」という段階からご相談いただけます。
詳しくは、老後の備え・身元保証サポートをご覧ください。
新宿区高田馬場を拠点に、新宿区・豊島区・中野区・杉並区・練馬区・世田谷区をはじめ、調布市・府中市・稲城市・多摩市など、東京23区・多摩地域を中心に対応しています。
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参考資料:
•裁判所「任意後見監督人選任」
•消費者庁「高齢者等終身サポート事業の利用に関する注意点」