相続手続きは何から始める?亡くなった後の流れと期限を行政書士が解説

相続手続きは何から始める?亡くなった後の流れと期限を行政書士が解説

ご家族が亡くなった後の相続手続きは、何から始めればよいのでしょうか。相続人の確認、財産調査、遺産分割協議、預貯金解約、不動産の相続登記、相続税申告まで、主な流れと期限を行政書士が分かりやすく解説します。

公開日:2026年9月28日


相続手続きは何から始める?亡くなった後の流れと期限を行政書士が解説

ご家族が亡くなると、葬儀や各種届出に加えて、相続に関するさまざまな手続きが必要になります。
しかし、実際に相続が始まると、
「まず何をすればよいのか分からない」
「銀行と不動産の手続きはどちらが先なのか」
「相続税がかかるのか分からない」
と戸惑われる方も少なくありません。
相続手続きには期限があるものもあるため、最初に全体の流れを把握しておくことが大切です。
ここでは、相続発生後の一般的な手続きの流れを順番に解説します。

まず遺言書の有無を確認します

相続手続きを始める際、最初に確認しておきたいのが遺言書の有無です。
遺言書がある場合には、原則としてその内容を踏まえて相続手続きを進めることになります。
公正証書遺言であれば、公証役場の検索制度を利用して遺言の有無を確認できる場合があります。
一方、自筆証書遺言については、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している場合と、自宅などで保管されている場合があります。
自宅などで保管されていた自筆証書遺言は、原則として家庭裁判所での検認が必要になるため、見つけてもすぐに開封しないよう注意が必要です。

相続人を戸籍から確認します

次に行うのが相続人の確定です。
家族関係が分かっている場合でも、相続手続きでは戸籍によって相続関係を確認します。
一般的には、亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍・除籍・改製原戸籍などを取得し、誰が法定相続人になるのかを確認します。
兄弟姉妹が相続人になる場合や、相続人となるはずだった方が先に亡くなっており、その子が代襲相続人になる場合などは、取得する戸籍の範囲が広くなることがあります。
相続関係が確定した後、法定相続情報一覧図を作成して法務局の認証を受けておくと、銀行や証券会社など複数の相続手続きで戸籍一式の代わりに利用でき、手続きを進めやすくなる場合があります。

相続財産と負債を調査します

相続人の確認と並行して、亡くなった方がどのような財産を所有していたのかを調べます。
預貯金だけではなく、不動産、株式・投資信託などの有価証券、生命保険、車、貸付金なども確認します。
また、住宅ローンや借入金、未払金などの負債の確認も重要です。
預貯金については通帳やキャッシュカード、郵便物などから金融機関を確認し、必要に応じて残高証明書や取引履歴を取得します。
不動産については、固定資産税の納税通知書や名寄帳、登記事項証明書などを確認します。
相続財産の全体像が分からないまま遺産分割を進めると、後から財産が見つかり、改めて協議が必要になることもあります。
そのため、遺産分割協議の前にできる限り財産を把握することが重要です。

借金がある場合は相続放棄の期限に注意します

財産調査の結果、借金などの負債が多いことが分かった場合には、相続放棄を検討することがあります。
相続放棄は、原則として自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。財産状況を調査しても判断できない場合には、家庭裁判所に期間伸長を申し立てられる制度もあります。
「とりあえず財産を分けてから考える」のではなく、負債の可能性がある場合には早い段階で確認することが大切です。

遺産分割協議を行います

遺言書がなく、相続人が複数いる場合には、相続人全員で誰がどの財産を取得するのかを話し合います。
これが遺産分割協議です。
協議がまとまったら、その内容を遺産分割協議書にします。
遺産分割協議書は、預貯金の解約や名義変更、不動産の相続登記などで必要となることがあります。
相続人の一部を除いて行った遺産分割協議は成立しないため、戸籍調査によって相続人を確定してから進めることが重要です。

預貯金・証券などの名義変更や解約を行います

遺産分割の内容が決まったら、金融機関などで相続手続きを進めます。
金融機関によって必要書類や手続方法が異なりますが、戸籍関係書類、遺産分割協議書、印鑑証明書などを提出し、亡くなった方の預貯金を相続人へ払い戻します。
複数の銀行や証券会社に口座がある場合には、それぞれで手続きが必要になります。
そのため、相続人調査や財産調査の段階で書類を整理しておくと、その後の手続きを進めやすくなります。

不動産がある場合は相続登記を行います

亡くなった方が土地や建物を所有していた場合には、不動産の名義を相続人へ変更する相続登記が必要です。
2024年4月1日から相続登記が義務化されており、原則として、不動産を相続によって取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。正当な理由なく義務に違反した場合には、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
なお、不動産登記の申請は司法書士の業務分野となります。当事務所では必要に応じて司法書士と連携して相続手続きを進めます。

準確定申告が必要な場合があります

亡くなった方に事業所得や不動産所得などがあり、確定申告が必要な方だった場合には、相続人が準確定申告を行う必要があります。
準確定申告の期限は、原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。
すべての相続で準確定申告が必要になるわけではありませんが、亡くなった方が毎年確定申告をしていた場合などは早めに確認しておきましょう。
税務申告については、必要に応じて税理士へ相談することになります。

相続税の申告期限は10か月です

相続財産が一定額を超える場合には、相続税の申告が必要になります。
相続税の基礎控除は、
3,000万円+600万円×法定相続人の数
です。
相続税の申告・納税期限は、原則として亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。遺産分割が終わっていなくても申告期限が延長されるわけではありません。
相続税がかかる可能性がある場合には、遺産分割を終えてから税理士を探すのではなく、財産調査の段階から税理士へ相談しておくと安心です。

相続手続きは「戸籍」と「財産調査」から始めると進めやすい

相続では、銀行、不動産、税金など、それぞれ別々の手続きが必要になります。
そのため、一つずつ目の前の手続きを始めるよりも、
遺言書の確認 → 相続人調査 → 財産調査 → 遺産分割 → 各種名義変更・解約
という全体の流れを意識して進めることが大切です。
特に、相続人の確定と財産調査は、その後のほぼすべての手続きの基礎になります。
「何から始めればよいか分からない」という場合には、まずこの2つから整理するとよいでしょう。

相続手続きでお困りの方へ

すぎばやし行政書士事務所では、相続人調査、戸籍収集、法定相続情報一覧図の作成、相続財産の調査、財産目録の作成、遺産分割協議書の作成など、相続手続きをサポートしています。
不動産の相続登記が必要な場合には司法書士、相続税の申告が必要な場合には税理士など、必要に応じて他士業と連携して対応します。
新宿区高田馬場を拠点に、新宿区・豊島区・中野区・杉並区・練馬区・世田谷区をはじめ、調布市・府中市・稲城市・多摩市など東京西部を中心にご相談を承っています。
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