公開日:2026年11月6日
「医療法人を設立する際には、どのような会議が必要なのでしょうか」
「設立総会の議事録には、何を書けばよいのでしょうか」
医療法人の設立では、定款や財産関係の書類に加えて、設立総会議事録の準備が必要になります。
議事録は、書式の空欄を埋めるだけの書類ではありません。設立に向けて話し合い、決定した内容を記録し、申請書類に反映させるためのものです。
この記事では、主に東京都で社団医療法人を設立する場合について、設立総会の役割と議事録作成のポイントを解説します。
設立総会は、医療法人の設立に参加する設立者が、法人の設立方針や運営の基本事項などを審議・決定する会議です。
個人診療所を法人化する場合も、院長一人の考えだけで申請書類を作るのではなく、設立者の間で内容を確認することが大切です。
なお、医療法人でいう「社員」は、一般的な従業員という意味ではありません。社団医療法人の構成員を指す言葉です。
設立者、社員、理事・監事、診療所の管理者など、それぞれの立場と役割を整理して準備を進めましょう。
東京都の手引きでは、定款案の作成、設立総会の開催を経て、設立認可の仮申請へ進む流れが示されています。
そのため、申請直前に日付だけを決めるのではなく、会議で確認する資料をそろえ、設立者が内容を検討できる時間を確保します。
東京都は、仮申請として提出した申請内容の変更を認めない旨を案内しています。法人名や運営体制、財産の引継ぎなどは、設立総会までに十分検討することが重要です。
また、設立総会を開催しただけで、法人が成立するわけではありません。設立認可を受けた後、設立登記などの手続きが必要になります。
具体的な議案は、設立する法人の内容や、所管自治体の様式に合わせて整理します。
主に、次のような事項を確認しておきましょう。
確認する事項準備のポイント
設立の趣旨・方針なぜ法人化するのか、今後どのような医療を提供するのか
定款案法人名、事務所、開設する診療所、組織・運営のルール
設立時の体制社員、理事・監事、理事長、診療所の管理者など
財産・負債法人へ拠出する財産、引き継ぐ借入金・リースなど
事業計画・予算診療所の運営方針、収入・支出の見込み
設立代表者等申請を進める担当や、委任する事項の範囲
基金制度を採用するかどうかなどによっても、準備する内容は変わります。
自治体の記載例をそのまま写すのではなく、実際の設立計画に合った議案と資料を用意することが大切です。
設立総会議事録では、所管自治体の様式を確認し、主に次の事項を記載します。
「定款を承認した」「役員を選任した」と記載する場合には、どの定款案を承認し、誰をどの役職に選任したのかが分かるように整理します。
別紙を使う場合も、議事録本文との対応が分かるようにしましょう。
実際に話し合っていない事項や、決定していない内容を、決議済みとして記載しないことが基本です。
議事録が完成したら、それだけを読むのではなく、ほかの申請書類と照合します。
例えば、次のような点を確認します。
例えば、議事録では理事を3名選任しているのに、名簿には2名しか記載されていなければ、内容を確認し直す必要があります。
書類ごとに別々に修正すると、不一致が残りやすくなります。変更した事項は、関連する書類もまとめて確認しましょう。
東京都の令和8年6月版手引きでは、仮申請の段階では押印不要とされています。
一方、本申請では、設立総会議事録などの押印に実印を用いる取扱いが示されています。
「仮申請で押印不要だったから、本申請でも不要」と考えないことが大切です。
必要部数、原本・写しの取扱い、押印の時期などは、最新の手引きと担当部署からの案内を確認して準備しましょう。
設立総会の準備では、議事録だけでなく、定款、役員・社員の体制、財産関係資料、事業計画を合わせて整理する必要があります。
すぎばやし行政書士事務所では、医療法人化を検討している段階から、申請スケジュールの確認、必要資料の整理、定款案・議事録などの書類作成、設立認可申請をサポートしています。
登記や税務については、必要に応じて司法書士・税理士と連携します。
詳しくは、医療法人設立サポートをご覧ください。
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参考資料
•東京都「医療法人設立の手引(令和8年6月版)」
•東京都「医療法人設立、解散、合併認可等に係る年間スケジュール」